戦後、国民の栄養改善を図ろうと、西洋の栄養学が取り入れられ、肉か魚の主菜、野菜などの副菜二つ、ご飯と汁物からなる一汁三菜が家庭で推奨されてきた。だが、、。
「栄養学ではメインディッシュがあっても、日本にはそもそも主菜と副菜を区別する習慣はないんです」。とお話されるのは、料理研究家の土井善晴先生。
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タンパク源の豆腐が味噌汁に入っていたり、肉じゃがには肉と野菜の両方が含まれていたり。和食には主菜を兼ねた副菜とか、副菜を兼ねた主菜とか、そのようなものが少しずつ混ざって料理が作られているわけです。
具材の油揚げや野菜などから旨みが出るので、必ずしも出汁は必要ない、と説明されます。
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また、味噌や漬物は微生物が働く発酵食品であるため「人間にはどうにもならない世界がある」とも。そこには食の考え方や文化が見て取れます。
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エビフライには下味をつけるが、天ぷらのエビにはつけない。人間が人為的に美味しさを作るのが西洋的なのに対し、日本では自然そのものを受け入れて食べるという考え方です。
だからこそ、美味しくて栄養価の高い旬のものを食べる意味がある。
今は飽食の時代といわれ、いつでもどこでも何でも食べられます。
旬をいただく、なんてあまり考えなくなってますよね。
春になれば、フキノトウや菜の花の天ぷら。
夏になれば、ナスなどの夏野菜。
秋になれば、キノコ。
冬になれば、ネギを入れた鍋物。
お正月には、おせち料理、お雑煮。
そして、お正月の食べ過ぎを鎮める七草粥。
食に快楽を求めてはいけない、と土井善晴先生はおっしゃる。
旬をいただく。
大切なことですね。
今年も、腹八分目に医者いらずで、美味しく食道楽を楽しんでいきます。
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