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一隅を照らす、この言葉は、アフガニスタンにて、人道支援に長年携わってこられた、故中村哲先生が好きであった言葉と聞いています。先日の新聞に、先生がお亡くなりになってから着工した堰が完成したとの記事を読ませていただきました。
一隅を照らす、これは日本天台宗の開祖、最澄上人が定めた山家学生式に出てくる1節。国宝とは何者ぞ、宝とは道心なり。径寸十枚、国宝にあらず。一隅を照らすもの、これすなわち国宝なり。
一隅とは、自分がいる小さな場所。それは家庭であり、職場であり。その小さな場所を精一杯の努力で明るくし、希望の光に導いて行く。そんな人こそ国の宝である。どんな財宝も国の宝ではない。
2019年12月4日、武装勢力によって凶弾に倒れ、お亡くなりになりましたが、アフガニスタンでの先生の残された功績は筆舌に尽くしがたいものがあります。
英雄視されることを、最も嫌ったと言われる中村哲氏。しかし、あなたが英雄視されなくて、誰が英雄視されるのですか。くだらない政治家が先生と呼ばれる昨今、冗談じゃ無い、本当の意味で先生と呼ばせていただきたい人物の1人であると思います。
命の危険がある中、周りのアフガニスタン人にも、反撃してはならない。反撃してもそれは憎悪を生むだけ、何の解決にもならないと説いていた。そして多くの人々から信頼され、尊敬され、先生の周りには沢山の人々が集まり、水が通り小麦の栽培が出来るようになると、銃を置き兵士を辞め、栽培に従事する人が多くなった。
最初に開通した水路は、地元の言葉でマルワリード(真珠)と名付けられたらしく、水の大切さは世界共通だと感じられますね。
大統領からも、もっとも勇敢な人間と尊敬されていた中村哲先生。
今日12月4日、先生の命日にあたり、心より哀悼の誠を捧げ、ご冥福をお祈り申し上げます。
合掌。