ソーセージの悲しい最後。
皆さんはこの言葉をご存知でしょうか。これは北海道津別町の自然ガイド上野さんが、Twitterに投稿されたポストカードの題名でした。
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詳しい説明はネットで検索していただけば、と思いますが、悲しい事件です。
簡潔に言えば、知床で生まれたヒグマが、観光客にソーセージを与えられたために激変し、人間のすぐ近くに出没するようになり、最後は小学校の校庭近くで射殺された、という事件。(コードネーム97B-5.またの名をソーセージ)
なぜ、野生動物にエサをやってしまうのか。そしてなぜそこまでして写真を撮りたいのか。
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知床が世界遺産に登録されたのは2005年。その登録前年の2004年に初めて知床を訪れることができました。知床財団の活動を記した書籍を読み、ヒグマと人間との共生がいかに難しいかを勉強していた私にとって、この知床行きはとても興味深いものでした。ツアーの観光バスで行ったのですが、実際に知床財団の職員の方が2名、銃を背中に背負い警戒をする姿を見ることができましたが、その時のバスガイドの女性がマイクで「えー、クマ撃っちゃうの、やめて、かわいそうー」と発言。知床財団がいかに厳しい現実に向き合っているのか、なんてことは、まったく理解していない発言に、この人は本当に北海道のバスガイドなのか、と呆れてしまいました。仮にも知床という場所に観光客を案内する仕事をしているならば、少しは勉強してほしいもの。多くの観光客に対して、バスガイドの言葉の影響力は大きく、ガイドさんがこんなことを言ってたよ、はよく聞く話。責任を持った発言を期待します。とは言えもう18年も前の話ですが。
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今はすっかり観光地化してしまった世界自然遺産知床。ヒグマの姿があれば、どこにでも車を止めスマホやカメラを片手にすぐ近くまで接近する。2019年に社員旅行で訪れた際、現実を目の当たりにしました。
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対象となる野生動物は、国内最大のヒグマ。集団心理も働き、皆んなで近づけば怖くない、の発想。毎日毎日ヒグマは人慣れをし、人間を恐れなくなる。そしてもし最悪の事態となれば、当然悪いのはヒグマとなり、殺処分の対象となる。
賛否両論、様々な意見があることは承知していますが、厳しい現実に直面している知床財団の指導に則った対策が急務だと感じています。
知床が大好きな、中国山系の木こりのつぶやきでした。