また、悲しい海難事故が起こってしまいました。
知床観光船遭難事故。このブログを書いている現在、11人が救助されましたが、全員お亡くなりになり、未だ15人の方々が行方不明のまま。船体も未だ発見されず、本当に悲惨な事故となっています。
次々に報告される、ずさんな管理体制。命綱とも言われる無線機の破損、GPSは無く、船長の経験も浅く、そして強風波浪注意報が発令され、午後からは海が荒れるのが分かっていながらの出港。そして最初の緊急無線を聞いたのも他の会社の船で、通報もその船が行ったという、本当に信じられない出来事の連続でした。
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5年前の6月、この会社とは違う会社が運営する観光船に乗り、ヒグマウォッチングなるツアーに参加しました。ヒグマの親子を海岸線に見ることはできましたが、ちょうどその場所は、養殖網があったり岩礁があるため近づくことはできません、と船長。
お客さんの中には、ブツブツ文句を言ってる方もいましたが、その船長の操船の見事さを、朝から見てきた人間としては、近づくことはできません、と言う船長の言動にプロフェッショナルを感じました。
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本来は別の観光船を予約していたのですが、半月ほど前にその会社から、予約を他の会社に振替させて貰えないか、との連絡がありました。了承したあと、何があったのかネットで調べてみると、その会社が運営する観光船の船長が、知床岬付近で消息を断ったとのこと。スクリューに絡まった漁網を切断するために海に潜り、そのまま行方不明になるという痛ましい事故でした。
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そのとき宿泊した宿で、チェックインの際に支配人とその話になりました。その支配人は以前その会社に勤務していたらしく、内情も良く知っていたようでしたが、なぜ知床岬のような潮流の予測もつかない場所で、安全帯も装着しないで海に入ったのか、理解できない、と話していました。
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しっかりと基本に忠実であること。
当たり前のような事ですが、人間には慣れてきたときなど、どうしても妥協して仕事をしてしまうような1面も、確かにあると思います。
やってはいけない、これくらい。
言ってはいけない、ま〜いいか。
いろいろ肝に刻みながら、事故の無い日々を過ごさなければならないと、今更ながら感じる今日この頃です。
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ちなみに、夕焼けが素晴らしく、料理も温泉も最高だったあのお宿。オーナーが今回の事故の会社の社長だったとは。楽しくお話した従業員の方も、すぐに退職されたらしく、やはり何かある会社なのでしょうか。
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しかしながら、大きすぎる代償。海の安全がこれまで以上に厳格に守られ、ルールも徹底されなければ、お亡くなりになられた方々も浮かばれません。
行方不明の方々の、1日も早い発見をお祈りするとともに、お亡くなりになられた方々に心よりの哀悼の誠を捧げます。
合掌