前に書いたソーセージ事件。
ちょっと違うようで、似たような事は私達周辺でも見かけることがあります。
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ちょっとクマのお話です。中国山系の山々には、ツキノワグマが生息していますが、この辺りのクマは西中国地域個体群と東中国地域個体群に大別されています。
岡山県は兵庫、鳥取との3県にまたがる東中国地域個体群二関する調査結果を公表しました。2022年当初の生息数は808頭で、安定的に存続しているとのこと。
この東中国地域個体群は1991年の環境省レッドデータブックで、絶滅の恐れがあるとされ、県は2000年に狩猟を全面禁止として保護してきたが、個体数の増加により人里への出没が目立つようになり、2017年より上限を設け狩猟を解禁しています。
以前のトレッキングで、西粟倉村の駒の尾山に登りましたが、途中の休憩用の東屋から上は、夥しい数の熊棚が有り、仲間達に注意を促すとともに、熊スプレーを腰に装着した覚えがあります。さいわいにして、大きな声で会話しながらですから、クマに会うことはありませんでしたが、密度の濃い生息地では細心の注意が必要だと感じました。
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それはさておき、今回のお話はクマではなくシカです。皆さんご存知の通り、全国的にシカの生息頭数が激増しておりまして、山への通勤途中でも、多くのシカを見ることが増えてきました。ほとんどが、子供を連れたメスの小さな群れ。秋になると、大きな三つ又の角を誇らしげに、体毛を黒ずんだ色に変えた立派なオスも現れます。
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ここで何が問題かと申しますと、失礼ながら紅葉狩りに来られた観光客の皆さん。普通に美しい紅葉を愛でて、山々へ親しんでいただくのは大賛成なのですが、中には迷惑な方もいらっしゃいます。
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ある時、山での作業を終え、車で下山中、3〜4台の車が渋滞しており、ヘアピンカーブの下を見ると、対向車も5台ほど止まっている。よく見ると、先頭車両が少し横を向いて止まっている。これはヘアピンカーブでスピンでもしたか、と走って駆けつけると、何やら助手席の窓からカメラの望遠レンズが覗いている。そのレンズの先には三つ又の立派なオス。なんと自分たちが写真を撮りたいがために車を横にして車線をふさぎ、撮影しています。呆れてモノも言えません。ま〜、いろんな人がいるもんです。
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車でシカに遭遇した場合、必ずクラクションを鳴らし、威嚇するようにしています。野生動物を威嚇するなど言語道断だと思われるかもしれませんが、無用の衝突事故を回避するためであり、また道路に近付かないようにするためです。それでも紅葉スポットなどの道路沿いには、少なからずシカがいます。これは何を意味するのか。山の中は奈良公園ではありません。野生動物に人間がエサをやることにより、衝突事故は発生します。これは知床のヒグマの事件と何ら変わらない事例であると考えられます。
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以前、屋久島の縄文杉に行った時も、親子のヤクシカがエサを貰いに来ていました。可愛さのあまりエサを与えたくなる気持ちもわからないではありません。しかし人間のエサに依存し始めた野生動物は末路が決まってきます。本当に気をつけていただきたい。
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別に偉そうに言うつもりは毛頭ありません。山の中へ多くの方々が訪れ、自然に親しんでいただくのは、素晴らしいことだと思いますが、最低限ではなく、最高峰のルールとマナーを守って楽しんで欲しいものです。