線状降水帯の恐怖は身にしみています。
2018年の7月7日、中国地方を線状降水帯が襲いました。平成30年西日本豪雨です。
岡山県北も大きな被害を受けましたが、人的被害が大きかったのは、南部倉敷市真備地区です。小田川の氾濫により51人の尊い命が犠牲になりました。
前日からも豪雨となりましたが、特に未明から凄まじい雨で、天気図を見ると線状降水帯がどんどん同じ場所で発生している。本当に恐怖を感じました。
雨が上がり、現場のチェックに向かいましたが、途中川の氾濫が凄まじく、2次災害の怖れがあるため、その日は断念。
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次の日、携帯の電波外に行くため、自分の行動パターンを周辺に知らせたあと、現場のある林道入口まで何とか辿り着きましたが、そこで愕然としました。既設林道が河川と化しているのです。装備を整え歩き出しましたが、およそ2キロに及ぶ林道は、半分が豪雨被害を受けておりました。
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やっとのことで現場に辿り着きましたが、広大な現場で12台の重機の無事を確認でき、胸をなでおろしたときには、すでにお昼をまわっていました。土質はまさ土であり、活着性の無い土壌なので、作業道はいたる所で崩落しており、既設林道と共に復旧作業にかなりの時間を要した事は、言うまでもありません。
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新聞で、気象庁は線状降水帯の発表を予測する、との記事を読ませてもらいました。
新聞記事からです。
気象庁は6月1日から、豪雨災害の要因となる線状降水帯を発生の半日前に予報する取り組みを始める。
海上の水蒸気量や陸上の湿度などが、複雑に関係するため予測は困難とされてきましたが、民間船舶の協力も得て観測網を強化し、スーパーコンピューター富嶽の分析を駆使する。
当面は、中国、四国といった広範囲らしいが、2029年には市町村単位まで絞り込むという。
現在、気象庁の観測船は2隻だが、貨物船やフェリー、海上保安庁の測量船など16隻に水蒸気観測機器を装備してかんそくに当たる。
陸上でも湿度観測を強化し、現在の155箇所に加え、157箇所のアメダスにも水蒸気観測機器を装備する。
さらに西日本を中心に17箇所で、正確に水蒸気量を計測する、マイクロ波放射計を整備し、それらのデータや気象観測のデータを理化学研究所の富嶽により分析し、12時間前に線状降水帯情報を出す。
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そのような予報が事前に出れば、現場内でも豪雨災害予防の措置は行うことが出来るようになります。
弊社で扱う現場なるものは、山の最深部がほとんどであり、下流に対する責任は大きいと感じています。何にでも、想定外という事はあるかと思いますが、豪雨が予想される場合、できる限りの予防策は講じておきたいと考えます。前回の豪雨災害が発生した際も、事前にできるだけ尾根付近に重機を置いたため、災害を免れた経緯もあります。
転ばぬ先の杖、大切です。
さて、風薫る五月を過ぎれば、また雨の季節がやってきます。
大切な恵みの雨ですが、ほどほどをお願いしたいものです。